十代半ば、たまたま読んだ社会科の副読本にユネスコ憲章の前文「戦争は人の心の中で生まれるものであるから人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という一節が載っていました。この文章は、カントの著作からの言葉だと聞いています。知的で思想を伝える美しい文章が印象に残りました。その後、折に触れ出会う詩には自然の美や、様々な心を表現する新鮮なまなざしがいくつもありました。
重さも形もない、たった一行か二行の文章が孤独な人の心を暖め、人生の岐路に立った時に勇気を与えてくれることもある。そういう詩の世界に自分も関わってみたいと思いました。
時折書いていた詩を一冊の本にすることによって、憧れていた文学を少し語れるようになれたらと考えています。