ほくほくギャラリ-
[鈴木としおの昭和遠近] 鈴木 としお様
240×240mm並製/
144ページ
新型コロナ禍のおかげで、戦時下生活にも似た自粛生活を余儀なくさせられた。しかし、全てがマイナス材料でもなく、予てより念願だった、我が家の古い写真の整理ができたのは僥倖だった。勿論、戦前や浅草広小路時代の写真は、B29の東京大空襲で全て灰燼に帰した。しかし、幸いにも姉智子が古アルバム一冊を疎開しておいてくれていたから、それだけは助かった。そこには、祖父の写真と、祖母の写真が各一枚だけ貼られていた。父や母の若かりし写真が、僅かに貼られていたのには一抹の安堵感があった。「いつか、新しいアルバムに仕上げたい」という気持ちが私の胸の底にはあったからだ。全て私が撮ったわけではないので、今回は〝写真集〟ではなく〝フォトコレクション〟と銘打ち、文化としての写真を残すこととした。(あとがきより)